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笑福亭鶴瓶 落語会 ネタおろし

新宿角座にて。ダメ元で申込んでみたら当選した。

初めに私服の鶴瓶さんが出てきて、立ったまま一人でフリートークを50分くらい。最近あった仕事のことや、出会った人のこととか。話しながら別のことを思い出すと急にそっちに飛び、また元の話に戻って、あちこちに行ったり来たりしてとりとめない。でも面白い。テレビのまま、友だちと話してるような自然で親しい話し方だった。

着物に着替え、落語「妾馬」のネタおろし。元は東京のネタだけど、鶴瓶さんのは設定を関西に変えてある。これまでにも他の人のでは聴いたことあったのに、こんなに素敵な噺だったなんて知らなかった。びっくり。お母さんが娘を気遣う気持ち、八五郎の家族への愛情がものすごく温かい。それを受け入れる殿も優しい。八五郎と三太夫のやりとりもおかしくて笑えた。

鶴瓶さん、普段テレビで見ていて「すごいなぁ」と思うところは生でもそのままやっぱりすごくて、ますます好きになった。また見に行きたい。

神田連雀亭 きゃたぴら寄席

 

 

久しぶりに連雀亭に行った。

きゃたぴら寄席は、13時半から15時までの1時間半で落語や講談を楽しめて千円の番組。今日は講談の方が3人出演していた。

・神田真紅 「海賊丸の由来」

笛の名手の話。初めはあんまり興味がわかないなぁと思ったけど、気付いたらいつの間にか話の世界に引き込まれていた。講談の題材は自分にとっては一見退屈に感じるものが多いけど、聴いてみると見掛けほどは難しくないし楽しめることが多い。

・一龍齋貞弥 「安政三組盃」小染うれしい別れ

舞台の女優さんのようなきれいな声。講談以外に声優もやってるらしい。納得。4日連続で連雀亭に出番があり、せっかくなので連続物をやっているとのこと。男女の三角関係。けっこう端折りながら進行していく箇所が多かったけど、省略してるところもすごく面白そうだったのでもっと落ち着いて聴いてみたい。独演会とか行けばいいのかな。

・神田松之丞 「天保水滸伝潮来の遊び

松之丞さん、一昨年どハマりしたくせに昨年は1回しか見に行かず、ほぼ1年ぶりだった。短期間に集中して同じ人ばかり何度も見るのは楽しいけど、一気に満腹になって気が済んでしまうこともある。反省。ほどほどの距離で応援したい。

漢詩の本ばかり読んでいる堅物の息子を心配したお父さんが、お小遣いを渡して無理やり遊郭に遊びに行かせる。初めは嫌がって怯えていた息子だけど、翌朝にはすっかり夢中になっている…。落語の「明烏」そのままなあらすじ。講談にもこういうのがあるんだ。

平日だからお客さんの入りもほどほどで、和やかな雰囲気でよかった。

隅田川馬石独演会 「お富与三郎」通し口演 第3回

 

 

・はまぐり 「代脈」

相変わらず落語家っぽくなくて普通の人のような見た目の前座さん。キャピキャピした銀杏がかわいかった。

・馬石 「お富与三郎」島抜け、越後地蔵が鼻

籐八を殺したとこを蝙蝠安に見られ、強請られるようになった与三郎とお富。逃げ出して別の町で暮らし始めるが、小さな悪事を働きながら生計を立てていたので、結局二人とも捕まってしまう。与三郎は島流しの刑で佐渡へ。このままこの島で死ぬなら、と与三郎は島抜けを決意し、嵐の夜、海に飛び込む。運よく本土へと流れつき、追っ手から身を隠しながら江戸を目指す。道中、雨に濡れた体を焚き火で温めていると、偶然にもかつて自分を斬りつけたヤクザの親分と再会する…。

今回はもう、ずっとお芝居を観ているようだった。演技入ってる。馬石さんは気弱なのもガラの悪いのもどちらも似合う。おもしろい。

いよいよ次で最終回だ。

隅田川馬石独演会 「お富与三郎」通し口演 第2回

三鷹での連続企画の2回目。
・たま平 「高砂や」
正蔵さんのお弟子さんで息子さん。毎日師匠のお宅へ伺って掃除をする、と言っていた。別々に住んでるのか。
・馬石 「お富与三郎」 玄冶店、稲荷堀
前回、やくざの親分に顔中を斬られ傷だらけになった与三郎。とても人前に出られるような顔ではなくなってしまい、お富とも死に別れ、これからは実家に籠って静かに生きていくことにする。数年後、町を歩いていた与三郎はお富にそっくりな女を見掛け、気になって後をつけていく。
死んだと思ったお富が生きていた、というところで、いきなり歌舞伎口調。三味線も入って空気が変わる。かっこいい。似合う。
春日八郎の「お富さん」の意味がやっとわかった。幽霊の歌じゃなかったんだ。
意外とあっさり再会したものの、その後も次から次へと色々起こる。今回もまた人が死んだ。そして良いところで終わり、続きはまた次回。
前座さんを含めても全部で2時間弱。疲れないし飽きないしこれくらいがちょうど良い。

隅田川馬石独演会

三鷹で、隅田川馬石さんの「お富与三郎」全段通し口演の第1回を見た。
・はまぐり 「出来心」
髪型のせいか、見た目だけだと普通の大学生みたいだった。前座だからって皆が皆坊主にする必要はないと思うけど、あまりにも普通の青年すぎて逆に珍しい気がした。
・馬石 「お富与三郎」発端、木更津
与三郎が木更津に行くことになった理由と、お富との出会い。
長ーい話を少しずつページをめくりながら読み進めていくようで、わくわくするしすごくおもしろかった。
馬石さんの集中力が少しも途切れないから、こっちも最後まで糸が切れることなく入り込んだままでいられる。
ヤクザの親分のドスの利いた声。啖呵。刀を抜く仕草や力の入れ方もうまい。浪人の先生の場面とか、歌舞伎でやったらかっこいいだろうなぁと思った。見てみたい。
今回だけで3人も川に落ちて死んだ。川に落ちる系は、実は流されただけで本当はまだどこかで生きてるんじゃないの…?という気がしてドキドキする。そのうち再会して足元救われそう。こわい。
次回は11月。もう今回の内容は忘れてしまってそうだけど楽しみ。

喜多八膝栗毛 夏之彩

5月に亡くなった喜多八さんのお別れ落語会。
チケットを買った時はいつも通りの独演会のはずだったのに、こんな思いがけないことになってしまった。
・三語楼 「もぐら泥」
三語楼さん、二つ目の終わり頃に見て以来だったんだけど、数年でこんなに変わるんだ!とびっくりするくらいおもしろかった。すごい。雑なところがなく丁寧で良かった。
・扇遊 「井戸の茶碗
膝栗毛のネタ帳を見て決めたという「井戸の茶碗」。素晴らしかった。速いテンポでガンガン進む。長い噺だから、あれくらいのスピードでもちょうどよかった。ダレない。まくらでは昨年の睦会の時のことを話してくれた。
・喜多八 「夕涼み」
トリは喜多八さんの音源。元々、今日やる予定だった「夕涼み」。素敵なタイトルだから楽しみにしてたけど、亡くなってしまったからもう一生聴けないんだなぁと残念に思っていた。まさか音源が残っていたとは。うれしかった。
暑いので夕涼みに町へ出た二人の男が、川を眺めながら人間観察してだらだらしゃべる。それだけの話。
こういうただ登場人物のやりとりを描写してるだけの話は、自分もすぐ近くで二人の会話を聞いてるみたいな気になれる。いっぱい笑うところがあって、喜多八さんらしいかわいらしさもあって、やっぱりこの人の落語が好きだなぁと改めてファンになった。
家で一人でテレビやCDで聴くんじゃなくて、音源だとしても、たくさんの人と一緒に聴くほうがずっと楽しいし笑える。
こんなにおもしろくて声も姿もすぐに思い出せるのに、なんでもういないんだろうと思ってしまった。
次の9月の会に行ったら本当にもう最後だ。

落語教育委員会

なかのZEROホール。
5月17日に喜多八さんが亡くなって、それから初めての教育委員会
私が最後に喜多八さんを拝見したのは、5月2日の鈴本になってしまった。その時は池袋の中席にも出演予定だったから、次は池袋で見るつもりでいた。でも体調が悪くなったのか池袋は休演になり、とはいえまた昨年末の時のように点滴打って栄養つけて戻ってきてくれるんだろうと思っていた。夏の独演会のチケットはもう買ってあったし。喜多八さん自身も「足が悪いだけで体は元気」って言ってたし。まさかこんなに急だとは思いもしなかった。
落語教育委員会、しんみりした悲しい感じだったら辛いなと思ったけど、いつも通り楽しくいっぱい笑えてよかった。
・ろべえ 「唖の釣」
このネタは前半部分は好きなんだけど、後半に入るといつも気持ちが引いてしまう。何か苦手。でも今日のろべえさんは良かった。与太郎さんが素直でかわいい。
・歌武蔵 「五人廻し」
歌武蔵さんはいつもやさしい。心遣いがあたたかい。「五人廻し」は前に喜多八さんのを聴いたことあるけど、今回ので、よりしっかりと話が頭に入ってきた気がする。
・扇遊 「夢の酒」
オープニングのコントにも参加。会場に行くまで今日がどんな内容になるのか知らなかったので、代演が扇遊さんだという掲示を見てうれしかった。
喬太郎 「純情日記 横浜編」
扇遊さんがまくらで喜多八さんのことを「四十九日もまだだから今日はきっと客席から見てるはず」と言ったのを受けて、喬太郎さんは「もう先に呑みに行ってると思う」。
純情日記、まさか今日聴けるとは思わなかった。
落語を終えた喬太郎さんが座布団をひっくり返すと、喜多八さんの出囃子がかかって緞帳が下りてきた。